世の中「この人、凄いなぁ」って思う人、多々あれど、ホントに感心する場合ってあんまり無いんじゃないかと思います。
で、私の中で、その「凄い人」の一人が、今回この記事に書こうと思った岡野雅行さんです。
「・・・、浦和レッズの?」って?
いやいや、違います。
現在、浦和レッズに所属なされている岡野雅行選手と同姓同名の方なんですね。
あ、岡野選手も凄いですよ。
あの「ジョホールバルの歓喜」の立役者ですからね。
・・・、と、話題が逸れましたので本題に戻ります。
岡野雅行さんは、金属加工(金型プレス)を行う小さい町工場の社長さんです。
しかし小さな町工場とは言え、その取引先が凄い。
国内の大手企業はおろか、NASAからも発注があるとのこと。
どうして、NASAからの発注があるのか?なんて思われる方もいらっしゃるのでは無いかと思います。
その理由は、どうも技術力にあるようです。
お話によると、色んな会社に製作を断れた場合、岡野さんの所に持って行けばなんとかしてくれる、って位のようです。
岡野さんは、たまにテレビとかでお見受けすることがあり、インタビューとかでお話されている、また作業所(現場)での様子なんかも観ることがあるんですが、確かに凄いかなぁ、なんて思います。
まず、現場にはところ狭しと工作機械が並んでおり、どう考えても町工場で買えるうようなシロモノじゃないよなぁ、なんてのもあったりします。
岡野さんのお話によると、製作に必要なものであれば設備投資は惜しまないとのことで、小さい町工場で中々できることではありません。
で、インタビューなんかのお話を聞くと、人が出来ないことをやりたい、出来ないと言われると俄然やる気が出てくる、絶対やってやる、って思い、ホントにやってしまうんだそうです。
また、寝ても覚めても仕事のことを考えていているんだそうです。
私が観たテレビ番組では、岡野さんが奥さんと二人で旅行に出かけた時のシーンがあって、その中で、岡野さん曰く、観光中であっても、その見たのものから、仕事に生かせないか、なんて考えるんで奥さんも呆れている、って感じの事を言われてました(実際、その時、岡野さんの横にいらっしゃった奥さんは苦笑いされてましたね)。
これって、そうそう出来るものじゃありませんよね。
寝ても覚めても仕事のこと考えてたら鬱になっちゃうんじゃないでしょうか。
この凄い情熱とやる気、プラス思考、ってどこから来るんだろう、って思うほど凄いなぁ、って思います。
そんなに凄い技術力があれば大会社にして大儲けできるだろう、なんて考えがちですが、岡野さんは、そのようなことを考えないんだそうです。
岡野さんとしては、そういった技術的なこと、出来ないことを実現することに尽力を、情熱を注ぎたいんだそうで、出来てしまったものには、あまり興味が無いと言われてました。
プレス屋にとって、金型は命、金型の良し悪しで製品の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。
金型があれば、同じ物を大量に生産することが出来、生産を続けることによって利益を得る、ってのがいわゆる「プレス屋」さんです。
しかし、出来てしまったら金型ごと、発注された企業に売ってしまったりするって言うんですから。
「製品」を売るのでは無く「技術」を売るって言うスタンスが、どうも岡野さんのやり方のようです。
なので、岡野さん、技術力を低下させたく無いと、従業員を増やさず、小さい町工場のままで会社を運営しているとのこと。
確かに、同じ人が長く作業を続けていると、技能は向上するし、技術的な知識が身につくので、正論かも知れません。
日本の技術力は、超絶な技能を持つ職人さんによって成り立っていたというお話を聞いたことがあります。
例えば、日本の金属加工精度は世界トップクラスと言われています。
これは精度の高い金属工作機械のお陰でもあるんですが、その精度の高い機械を作るとき、その機械の部品は、その機械によって作られる部品より精度の高いものが求められます。
じゃぁ、その部品は、その工作機械より精度の高い工作機械で作られているのか?って事になるんですが、この場合、延々と作る部品より精度の高い工作機械が求められるってことになってしまいますよね(分かるかなぁ、この理屈)。
そうなれば、精度の高い部品を作るのが機械で無かったら、あと作れそうなのは人間ぐらいしか、いないはずです。
実際、そういった技能を持った方々が部品を作り、その部品で機械が出来ている訳です。
かつて日本が安くて品質の良い工業製品を輸出して利益を得ていた時代、このような職人さんが居て、その方々が日本の工業製品の品質を維持していた、って言っても過言では無いかと思います。
しかし、このような技術技能を取得するには長い年月がかかり、かつ、一人前になるまでは賃金も安く、いわゆる3Kの仕事の場合も多いので、スマートで楽して高収入を得ようとする今ドキの人には敬遠されがちってのも事実です。
ゆえに今、そのような技能を持たれた方は高齢の方が多く、その技能が伝承された後継者の方も少ないようなんで、技能、技術力低下によって製品の品質が低下し、とりわけ製品の国際競争力が弱くなって製品が売れなくなるのでは、と、懸念する声が製造業の各関係から挙がっているようです。
事実、「団塊の世代」が定年退職し始めた昨今、技術力の低下を恐れた各企業は、定年後もそのような方々を雇用し、企業として、人を育成しようとしているとのことです。
なんだかお話が大きく逸れてしまったようで、岡野さんのお話に戻しましょう。
そんな岡野さんですが、執筆活動や講演なんかもされているようです。
最近、出版された本があるようですので、興味を持たれた方は一度お読みになられてはいかがでしょうか。
(リンク先(多謝):金属加工のマジシャン(岡野工業株式会社ホームページ)、Wikipedia)
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