白米オンリー弁当

　高校生の頃、弁当のフタを半分開けた瞬間、目に飛び込んできた異様な光景・・・。

　「お・・・、おかずが無い・・・。」

　そうなんです。

　おかずが無く、見渡す限り白米の”白米オンリー弁当”だったのです。

　と、言うオープニングで始まりました今回の記事、Niftyさんの『コネタマ』に参加してるんですね。

コネタマ参加中: 思わずフタをしたくなったお弁当は？

　で、半分開けた弁当のフタを急いで閉めて、あたりを見回すと・・・。

　一緒に弁当を食べていたクラスメート達の怪訝な表情。

　「これはイカンっ！！」

　と、思った私。

　この状況をどのように打破しようか・・・、よしっ、消去法で一番良い方法を選んでみよう、と、思い、下記のような想定とその結果を考えたのでした。

　パターン①

　やおら弁当のフタを開けて、

　　「いやー、まいったなぁ、メシしか入ってないし・・・、おふくろ忙しいからなぁ、・・・、悪いけどおかず恵んでくれない？」という台詞を吐いてみる。

　考察結果①

　うーん、これは惨めだ。

　それに、なんかおふくろに悪いような気がする・・・。

　でも白米しか入れてないのおふくろだし・・・。

　パターン②

　突然用事を思い出したかのように、その場を立ち去り、一人で白米オンリー弁当を食べる。

　考察結果②

　うーん、まず用事ってのが無いよなぁ、メシ食おうって段階で（と、純真な私はそう思ったのでした、今思うと、なんとでも言えば良かったかも知れないのに・・・）

　それに”メシ”オンリーじゃなぁ。

　・・・、と、その他にも色々考えて見たんですが、良い方法が思い浮かばず、前述の「パターン①」で行こうと決心し、それでも”やおら”弁当のフタを開けることも出来ず、結局、”　そぉっと”フタを少し開けると・・・、ある事に気がついたのです。

　おや、弁当のフチ、白米の所になにやら茶色いものがついている。

　「これは、何かの”タレ”か？」

　と思い、弁当のフタをを少し開けた状態で、弁当の中身、白米を少し穿ってみると・・・。

　なにやら魚と思しき物体が・・・。

　観察すること、しばし・・・。

　こ、これはっ！！

　う、ウナギではないかっ！！

　そうなんです。

　白米の間にウナギの蒲焼が挟まれていたのです。

　てな事が分かった瞬間、今度こそ”やおら”弁当のフタを開け放ったのでしたっ！。

　その異様な光景に驚愕するクラスメート達っ！！。

　「お前っ、メシしかないじゃんかっ！！！」

　などの台詞を口々にするクラスメートの尻目に、私は弁当の中身の中間あたりを箸で開いて、そのウナギの高貴な姿を披露し、・・・。

　「ジャーンっ！！、ウナギなんだよぉ～んっ！！」

　と高らかに言い放ったのでした。

　・・・、と、多少フィクション（って言ってもこれを知ってるのは私とそのクラスメートしかいないんで、フィクションも何も無いような気がしますが）を交えてのお話でした。

　うーん、あの時はマジビビッたなぁ。

　でもウナギ入れるんなら、ご飯の上に乗っければ良いじゃん、なんてあの時は思いましたがね。

　関西風うな丼でもあるまいし・・・。

　しかしそれは、今思うと母の”奥ゆかしさ”だったのかなぁ、なんて思ったりして。

　いずれにせよ、「ありがとう、おかあさん」って感じで今は思いますね。

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